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Motoholic by MBK

東生駒Motoholic、 ..日々の四方山話。

遅れてます~ m(_禿_)m

レギュラーメンテ&セールス ちょこっとメンテ&セールス BMW その他の旧車

昨日付のBlogで様子がいっぺんに判ったお客様も居られる事と思います。

複数の急患があったり、地雷を踏んでしまったり.. 。
HD-FLH出庫以来、なんとか回避してきましたが、ここ2週間ばかり想定外が続いております。 割込対処がおおごとになってきました。連絡ブログの方をアップデートしている余裕も無いので、とりあえず、こちらでお客様各位に状況お知らせのみ。

鬼が笑いをこらえています。

(H)

m(_禿_)m  コレを片付けないと 色々止まってます~
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由あって緊急手術中の旧型BINGΦ40。 本来ならば、新しい方のBINGΦ40とFCRをバラしてないとイケナイ時期なのですが.. 、お待ちのお客様、誠に申し訳ございません.. 。

 

・・・Motoholic(モトホリック)・・・

奈良 東生駒BMW空冷ツイン好きなバイク屋です。
店主は /7系空冷BMWが得意です、ご相談下さい。

motoholic00.hatenablog.jp

 

工具を作る(ミニチュアサイズのシカラップ)

BMW いろいろなこと レギュラーメンテ&セールス その他の旧車

想定外の事態に、定休日に工具作りです。
サテ、これは何でしょう?

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頑固な耳垢を削り取る鋼製耳かき.. ではありません。(今回は似た作業ですが)
スクレパー (キサゲ、シカラップ)などという摺合せのための刃物を、安物のドライバーを潰してミニチュアサイズで作ったものです。

一応、トーチランプで炙ってなまして、一部鍛造し、削り出してこの形を作り出してあります。 ..上の画像は、まだ粗砥ぎの段階なので白いままです。

焼き入れして砥ぎ上げるとこんなふうになります。f:id:motoholic:20161202132902j:plain
これは円筒内面用のシカラップの形状をしています。

 

さて、これらを何に使うか..f:id:motoholic:20161202132903j:plain
今回は「キャブ掃除」デス。
刃物の形状は、精密仕上に使うキサゲ や シカラップ に倣っていますが、直径数ミリの穴の中の浸漬洗浄では取れない汚れを削り落とすのに使用します。
本来の用途の摺合せをする訳でなく地金もダイキャスト合金なので、刃物の材質も安物のドライバー流用で十分です。

実は、諸事情で急遽入院中の2本サス世代の BING 40Φ CVキャブレター が、水入り&不動放置と誤った整備の後遺症で、どうやら10年以上、内部回路に垢を積もらせたままであったようで、少々ひどい汚れでも落としてしまう洗浄方法を採っても、厚く付着したコンタミ(≒汚れ)がとれず、また、パッキンとなるOリングの座や、重要な回路が荒れたり盛り上がったりしたままのところがありましたので、それを整える作業の為、ミニチュアサイズの刃物製作と相成った訳です。

(H)

 

---それにしても...
精密さや清浄さを要求される機械組立の途上で、同じショップ内でグラインダーをガンガン使うのはイケマセン。 全部ウエスやブルーシートで囲っての作業になります.. 。
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BMWロゴの研ぎ出し(R80 R100 スターターカバー)

BMW レギュラーメンテ&セールス いろいろなこと

R80(アップハンドル/FCR)のスターターカバーのロゴマーク、エンジンフロントカバーとロッカーカバーの短いフィンの研ぎ出しが完了しました。 地色の黒は傷んでいますが、ヘアラインは新車より綺麗な筈です。これだけで、大いに引き締まって見え、車齢を忘れさせてくれます。
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今回は黒塗装があまりに傷んでいたので、オキツモの半ツヤを塗ってからの研ぎ出しです。
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平滑な当て板を使って研ぎだすと、元の雑な仕事はすぐにバレます。新製時の研ぎ出しは機械力を使って短時間でなされた仕事であることがよく判ります。
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これを、弾性のある当て板を使って研ぎ上げるとキレイになります。
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最終的には研ぎ出した部分にクリヤラッカーを塗って仕上ます。

 

...こういうのは、昔、カメラメーカーの機械加工現場で働いていた頃に身体で覚えた手法です。 当時、NC工作機械のセットアップが上手くいっているときは暇なので、私のような三下は仕上場の応援に出されるのですが、 そんな折に年配の親父さんたちに混じって日がな一日研磨して覚えた事です。
 器用な方ならすぐに出来そうな事ですが、商品としてお金の取れる仕上りを得るにはあれこれコツが要って 一朝一夕には出来ないものです。エアヘッドツインの機上でこれを磨き出すのも、3回くらい方法を変えています。
 任せといて貰えば、銀塩時代のメカメカしたカメラと同水準の仕上程度は出来ますよ ..って事で.. 。

 

 

<機械屋の四方山話>

当時扱っていた工作機械の一つを紹介します。

Citzen D-16
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当時受け持っていた中の一つ(同型機)です。

解説: 時計部品などを加工するピーターマン型のカム式自動旋盤にNC(数値制御)制御装置をつけたような形式のものです。 (用語はググってみて下さい)
黎明期のNC工作機械で、動作は遅いですが、精度とその安定性が抜群に良い機械です。
X軸送りはモーターは一本で複数のカムを回し、それを油圧メカで切替える事により刃物の選択をしているくせに、デジスイッチで線分の数ミリオーダーで追い込みが効きました。国内に自動旋盤のメーカーはいくつもあれど、私の知る限り、(現在でも)シチズンは最高峰の精度と安定性を持っています。
日本が、高水準の機械時計を大量に生産していた頃の副産物ですネ。
現代でも、高精度のボールネジはシチズンでしか加工出来ない などと言われており、最新鋭の機構を持つものが同じく最新鋭のNC制御装置を搭載して、多様な部品加工に役立っているようです。

画像出典:シチズンマシナリー[自動盤歴史館]

(H)

 

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イグニッションコイルの故障は..

BMW レギュラーメンテ&セールス

当地で開店以来、イグニッションコイルの故障を処置した(する)のは3~4件、今日までの人生のうちではその倍以上はっ.. てところですが、そう多くはなく、大抵は記憶から消え去っています。

タチの悪いのは、その辺にあるサーキットテスターや、整備講習のテキストに出てくる程度の絶縁抵抗計ではコイル異常の検出が出来ず、且つ、見かけ上キャブレターの詰まりや、ポイントの接点焼け(若しくはイグナイターの不良)に診断出来てしまうのに、結果としてイグニッションコイルに行き着いたような事案でしょうか.. 。 そういう案件だけはしっかり覚えていて、当店なりのKnowHowにもなっております。

12V又は6V、若しくはフラマグの発生電圧のパルスを数十KVに昇圧するのがイグニッションコイルの役割ですが、経時劣化、湿気の侵入、熱などで 内部のコイルが劣化してゆきます。
故障する時に単純に断線してくれれば 判りやすくて良いのですが、コイルの特に高圧側の絶縁低下はタチが悪く、症状が安定的に出ないのが殆どで、一寸厄介です。

今日は、初めてお越しのR100CSのお客様のキャブレターを簡易洗浄&調整しているうちに、高圧側(二次側)の発生電圧が低下して失火し始め、目くらましを食らってしまいました。
極似した症状を治した事があるにもかかわらず、思考が即座にコイルに結びつかず、日帰りの予定が、部品貸し出しできるものがあったにもかかわらず、お預かりになってしまいました。
残念至極 ...てところです。

 

<関連過去画像> 

イグニッションコイルの確実な検査には、マニュアルに記載されているより定格の大きな絶縁抵抗計、温度計、加温する為のヒーターが必要です。
f:id:motoholic:20150618230629j:plain画像は初期型RZ250
コイルを45度Cまで加熱すると、絶縁抵抗が低下している事を示しています。
これが、常温では絶縁抵抗計測不能の正常品なのですから.. 。

 

それに、オシロスコープも必需品といえます。
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画像は、Kwasaki 650RS W3 の 正常な点火一次波形。
フルトラ化&2コイルで、R100やR80(2サス モノサス)と良く似たシステム構成です。
一般には、コイルが焼損すると この画面で中ほどくらいにもう一つ山が出来るといわれておりますが、大抵はなだらかな減衰が乱れるように崩れた箇所が見られます。
 残念ながら、一度二次側の絶縁低下を発見しますと、イグナイターの保護の為、一秒たりとも運転したくないので、画像は残っておりませんが.. 。

 
 ...出来れば100KV用高圧プロープを使って、二次(高圧)波形も見たいところですが、流石に高価で、そこまでは持っておりませんデス  ^_^;;;

 

(H)

 

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洗浄 before after その2 (R80アップハンドル/FCR)

BMW レギュラーメンテ&セールス

11/11付のBlogの続きです。
くすんでしまった R80のクランクケース~ミッション、ファイナルドライブの洗浄後の措置、黒塗装の補修と研ぎ出しを致しました。

...BMW空冷ツインのアルミダイキャスト部分のクリーニングを紹介いたしますが、これは中古車の仕上作業の一環です。 ...が、御希望であれば他店購入車の車体洗浄も承ります。(受入条件有)

 

=洗浄直後= before
f:id:motoholic:20161111174934j:plain

=塗装補修=f:id:motoholic:20161118173901j:plain

f:id:motoholic:20161120172131j:plain

=研ぎ出し=
f:id:motoholic:20161120172132j:plain

=出来上り= after
f:id:motoholic:20161120172133j:plain

f:id:motoholic:20161120172130j:plain

(H)

 

 工程完了はこちら
f:id:motoholic:20161127160955j:plain

  

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洗浄 before after (R80アップハンドル/FCR)

BMW レギュラーメンテ&セールス

くすんでしまった R80のクランクケース~ミッション、ファイナルドライブの洗浄です。
難しく表現すれば、洗剤と除錆剤を使った 物理/化学洗浄 です。
当店には高圧洗浄機がありません、実際あっても殆んど使わないでしょう。
理由は推して知るべし、ブラシとスプレー式のエンジンクリーナーだけで洗浄いたします。

...BMW空冷ツインのアルミダイキャスト部分の洗浄を紹介いたしますが、これは中古車の仕上作業の一環です。 ...が、御希望であれば他店購入車の車体洗浄も承ります。(受入条件有)

 

=before=
f:id:motoholic:20161111174716j:plain

=after=
f:id:motoholic:20161111174935j:plain

 

=before=
f:id:motoholic:20161111174333j:plain

=after=
f:id:motoholic:20161111174936j:plain
これは一寸イマイチなので、もう一度脱脂してからやり直しします。
(油分が残っていると化学洗浄の効果が出にくいです)

 

 次工程、黒塗装部分 研ぎ出しの再生、参照下さい。
f:id:motoholic:20161120172133j:plain2016/11/19追記

 

 

 

 *ハテナダイアリーに御客様用記事を継ぎ足してupしております。 

(H)

  

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R80(アップハンドル/FCR)納車整備中

レギュラーメンテ&セールス BMW

重整備と納車整備が慢性的に遅れており、お客様各位にはご迷惑をおかけしております。
このところ、店内は、BMW空冷ツインばかりとなり、ホッとしております。

只今、FCR装備のR80が、広く空いたショップ作業スペースを占有中です。
常に、こんな状態だと、ありがたいのですが.. 滝汗);;;

関連ハテナダイアリー(要PW)

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(H)

 

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エンジン温間調整(BMW R80改+CRspecial)

BMW レギュラーメンテ&セールス

R80改、Jet-Black Bullet号 店主が勝手に名づけてしまいました。
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乗り手を前に前に誘う、そんなフィールに仕上りました。

------------------

Motoholicのメニューには「エンジン温間調整」というのがあります。
なんてことはない、単純に調子を崩したエンジンを、調整とロードテスト(Load Test)を繰返し、本来の姿、またはお客様の好みの特性に仕上げるだけの事ですが.. 、当り前の整備を当り前にキッチリこなす事、些細な事の完成度の高さ、整備士としてのポテンシャルな力 と ライダーとしての的確な感性、総合的な力がないと成立しない作業です。
  ...今回の記事は、当店の本分、BMW空冷ツインの話題です。

 

-----このR80のカスタム車とのおつきあいの始まりは、他店購入の中古車のブレーキの不調が始まりでした。
 マスターシリンダがダメだったので、一時的に在庫車のマスターシリンダを貸し出させて頂き、仮復旧、ドイツから並行輸入した部品で恒久処置、その際にセッティングの出ていないCRキャブのリセッティングと言う形で、エンジン温間調整をお請けしたものでした。

 

Part-1
テーマ:各部のダメ直しを実施の上で、CRspecial Φ37付で、最低限ストリートユースに耐えるマシンにする。

 

 入庫時は、キャブレターは、メインジェットが全開域で合わせてあるだけで、常用域では極端なオーバーリッチ、動弁系に不適切な改造もあり、黒煙を吐き 5000rpm以上は回せないといった状態で.. 、シリンダーヘッド セミOHを含む改造箇所の復元と腰上セミOH、キャブレターの洗浄、ファンネルアダプタの修正、スロットルケーブル製作.. が出発点でした。

 

 最初に入院した頃の画像
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腰上OH中です

ご予算都合でシートカットは省いていますが..f:id:motoholic:20150112182430j:plain
キッチリアタリを出してあります。
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他に、ビッグエンドメタルなど、部品交換はしていませんが、組立が雑であったところは手直ししながら組んであります。f:id:motoholic:20150112182441j:plain
リアランス測定

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画像はビッグエンドメタルが微妙に斜めに収まっていた痕跡ですが、ダストを噛ませたりしてメタルの収まりが悪いまま組んでありました。 こういったところを手直ししながらピシッと組上げると、クランキングも軽くなります。 当たり前の事なのですけどネ。


キャブレター洗浄は、強制開閉なので簡単なものです。
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(この時点では、標準のフロートレベルで組みました)

しかし、ファンネルのアダプター金物は...
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図面を読める方なら判ると思いますが、これではメインエアジェットと干渉しており、マトモに機能しません。 ..ので、手直しさせていただきました。

 

噛み込んで折れていたスロットルケーブルは一点物で自製しました。
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手作りデス。

 

 当初はこのようなスタイルで、ファンネルだけの直キャブ、スロットルバルブが燃調部品としては高価なので、カットアウェイの変更無しで何とか低域から全開域まで、ストリートユースに対応出来るよう、Load Testを重ね、セッティングを出しました。
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<結果>
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 入庫時、BP5ESで どう走っても真っ黒だったものが、県道8号線で なんとかこれくらいには焼けるようになりました。 走りもトルクフルで、レッドゾーン内8000rpmまではスッキリ回るようになりましたが.. 、1/4開くらい がややオーバーリッチ で もっさりした感じで長時間の持続はツライ。 反面、アイドルからのツキは良い。
 外周部のカーボン付着が、それを物語っていますが、標準の油面高さ、標準のカッタウェイ、前傾姿勢の取付 では、ストリートユース前提の全体のバランスの中で、これが限界でした。

 

 

Part-2
テーマ:CR special の標準仕様のカットアウェイを変更せずしてストリートで高水準な実用域までセッティングを煮詰める。


その後、日をおいて、車検対応でブローバイガスの処理を追加する為、ステンレスメッシュだけのパワーフィルターを追加致しました。
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キャブレターが低い位置にあり、砂塵を吸いやすく、ブーツを履いていないとファンネルにズボンのすそを吸い込まれるので、これを残す事になったのですが...


さぁ、ここからがタイヘンです。
いきなり、常用域でコレですから.. 。
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標準の油面高さ、標準のカッタウェイ、前傾姿勢の取付 では、ジェッティングだけでは対処できないのですが、とにかく1/4開のカッタウェイ領域を何とかしないとどうにもなりません。

 

そんな訳で(やりたくないのですが)実油面調整で、燃調をあわせてゆきます。
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フロートチャンバーを外し、低圧ポンプで燃料供給して、実際の油面を測定し、精度良く油面高さを調整します。
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そこで、問題はこの前傾姿勢、約15度 傾いています。
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標準のフロートレベルでは、スロージェットのエアブリードまでガソリンに没していそうで、逆にメインジェットは油面を下げてゆくと下りや減速時に油面が低くなり過ぎて、唐突に燃料の吸い上げが悪くなり、特有のヘンなバタつきが出るかもしれません。
そのへん、細心の注意を払って、初めは1mmづつ、エエトコに近づいてきたら0.5mmづつ、油面を下げてゆきます。 既に スロージェット、エアスクリュー、ニードル の振り代がなくなっているので、主に中低域(軽負荷域)のセッティングが出るまでこの作業を繰り返します。

 

そしてLoad Test、 ..路上でのフィール確認、プラグチェック、可能ならばジェッティング変更の繰り返しです。
但し、カッタウェイに拠る律則で、どう頑張っても スロージェットだけでなく、ニードルもほとんど振り幅は出ませんでしたが... 。
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この個体は電気位置は最初の入庫時点で診てあり、弁隙間も 当店で腰上を組んであるので おかしな狂い方をしておらず、基本、燃調だけでの勝負です。
一回ロードテストに出ていくらと、一応料金設定は決まっていますが、テクニカルな部分で興味があり、採算度外視で「峠を走って面白いフィール」を トコトン追求してみました。

 

<結果>
 先ず、油面調整で1/2開領域までを納得のゆくところまで持込み、次いで(油面も調整しつつ)高速(高負荷)域が満足ゆくようにして 一旦完了させたつもりの燃調を、気温と湿度の推移から疑問を感じ、悩んだ挙句 油面を0.5mm下げて いじってみましたら、1/4~3/4開領域の劇的変化到来です。
 非常に加速感の軽い、かといって定常走行を嫌がらない、キモチノヨイエンジンに化けました。最後の匙加減が本当に良く効きました。セッティングを出した本人も驚きの結果です。
 高速(高負荷)域は、シチュエーションに応じて、プラグ交換、又はメインジェット交換を要しますが、下は1500rpmから実用域です。多段膨張のノーマルマフラーが効いていると思います。 上は滞りなく8000rpm以上サージが始まる迄ブンブン回ります。流石スムーズボアのCRキャブです。 そして何より、常用域の燃調が合ってきたのでしょう、同じスロットル開度での速度の乗りが良く、周囲との速度差が怖い印象を受けるようになりました。
 店主はよく御客様に、Airhead Twin を、R(80でなく)100ですら 実は「味付け次第で非常に吹きの軽い よく回る素性のエンジン」と説明しますが、空吹かしではわからない、クラッチをつなぎきってからのフィールが、本当に気持ちのよいエンジンに仕上がりました。



中高域(高負荷域)
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微低速域(2000rpm以下集中使用)
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乗って面白い、ワクワクするようなエンジンフィールに仕上がりました。
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お客様曰く「 ..ほんまにヤバイです このバイク.. 」だそうです。

 

(H)

 


 ---次のエンジン温間調整は、BMW 空冷ツイン R80+FCRです。

 

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エンジン温間調整(Kawasaki 650RS W3)

レギュラーメンテ&セールス その他の旧車

Motoholicのメニューには「エンジン温間調整」というのがあります。

なんてことはない、単純に調子を崩したエンジンを、調整とロードテスト(Load Test)を繰返し、本来の姿、またはお客様の好みの特性に仕上げるだけの事ですが.. 、当り前の整備を当り前にキッチリこなす事、些細な事の完成度の高さ、整備士としてのポテンシャルな力 と ライダーとしての的確な感性、総合的な力がないと成立しない作業です。

元々、BMWの空冷ツインに限ったメニューだったのですが、お客様の幅が広がり、ここではKawasaki 650RS W3 の作業を紹介致します。

 

このW3とのおつきあいの始まりは、ボイヤーのフルトラユニットの搭載の打診からでした。
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電気的にも機械的にも、かなりの苦労がありましたが、この時点で、点火時期をしっかり確保してあります。
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これまでに、燃料タンク洗浄、キャブレター洗浄OH、充電系リビルト交換等々、色々な過程を経て、基礎的な要件を固めてきました。 ..そして、今回、最終的なエンジン温間調整に取り掛かりました。 

 

先ずは完全冷機で弁隙間調整。正しい燃調の前には必須の作業です。
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左EXの弁隙間が極端に過大でバルブステムのてっぺんに、シリコンシーラントを意図的に盛ったらしい痕跡がありました。 入庫時点のキャブレターセッティングから判断して、確信犯的な裏技(決してマトモな仕事ではない)が施されていたのではないかと想像されます。

 

キャブレターは、フロート高さが信用できず、実油面を測定&調整 からスタート。
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記録を取りながら、ひたすらロードテスト(Load Test)と調整を繰り返します。f:id:motoholic:20161007154427j:plain

 

元は最高回転数がレヴリミットの7500rpmにすら届かなかったエンジンでしたが、全域にわたって、この程度のプラグ焼色を得、実用回転域1500~8000rpmとなり、 復調致しました。
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私の流儀で、燃調途上でプラグの清掃を出来るだけしません。 プラグのネジ部先端に残ったカーボンが、燃調前の状態を物語っています。
この後、プラグクリーナーでブラストするか、新品に交換してお渡しです。 勿論電極の間隙もイグナイター、コイル、燃焼状態 にあわせて、応答性の良いところを探り出します。

 

温間調整では... 、
プラグレンチ、ドライバー、時としてタイミングライト 等々、セッティング変更の為の最低限の工具を積んで、ひたすら実走(Load Test)して、機関の運転温度を保った上で乗り味も評価し、調整を重ね、最も適したところを探り出します。   温間調整と呼ぶ由来はここにあり、登板勾配のきつい自動車専用道規模の一般道がある当地由、シャシダイ無しに スローからフルパワー領域まで評価/調整出来るのです。

f:id:motoholic:20161007154429j:plainW3(W1型直管マフラー付)の注意点は、かなりオーバーリッチでも普通に回ってしまう事 と、僅かにオーバーリーンか僅かに油面が低すぎる場合、唐突にバルブサージの様な症状を呈したりして、目くらましされてしまう事 でしょうか.. 。どうしても、オーバーフローを含むオーバーリッチを見落としやすいです。 それと、プライマリーを開けないで電気位置(=点火時期)を 動的に確認する方法が無いのも、ピッタリくる調整を難しくしていると思いますね。

 

今般、このW3では、中低域の粘り、スロットルに対する追従、高速域の安定性、申し分なく仕上がりました。 レヴリミットを越えて8000rpm以上迄 楽に回るようになり100km/hr以上での巡航も楽なもので、サードに落としての追い越し加速も すこぶる気持が良くなりました。
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  メグロ スタミナ に端を発するWシリーズは、海外のwebサイトの記事で、BSAのデッドコピーなどと揶揄されていますが、それでもBSAより扱いやすく、デッドコピーにはあらずという記事も見かけます。 ただし、オリジナリティという点で評価が低く、欧米では所有する楽しみには欠くようです。
 では、日本でBSAやTriumphの旧車を簡単に維持できるのかというと、さにあらずで、欧州車好きの私的には、この英車の匂いがプンプンするバーチカルツインは、旧い世代の英車のスタイルの美点を日本流にブラッシュアップした一つの答として、乗って、弄って 愉しい乗り物ではないかと受けとめています。
 カッコイイですよ、姿も音も.. 。

 *庫内動画---Youtube 良質のスピーカーかヘッドフォンでお楽しみ下さい。

(H)

 ---次回記事は、BMW 空冷ツイン の エンジン温間調整です。

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連絡用はてなダイアリー更新

連絡用ハテナダイアリーに、W3-YSD と R80fcr-KIW の途中経過をupしました。

関係者はご参照下さい。

URL: http://d.hatena.ne.jp/motoholic/

(H)

 

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