Motoholic by MBK

東生駒Motoholic、 ..日々の四方山話。

しまらない話(BMW /7系 空冷ツイン)

しまらない話、もとい!、しまってない話 の話題です。

 初回入庫の総合点検でしたが、ここまでの事案はちょっと珍しく、ショップサイドとしましても内容が読めなくなり大変なのですが、お客様にとっても大変な危険が伴う内容でしたので、どちらかというと全ての新規のお客様に向けて 注意喚起の意味で記事に致します。
 車両の状態は、真面目に整備を進めれば 過去の整備/改修/改造の経緯は概ね判ります。 その内容で、評価:Fと限りなくFに近いD の箇所は、誰が施工したものであれ、せめてCに近いDまで引っ張り上げないと、全てが前に進めないのです。 (F:fail = 不可(GPA法))


<(_禿_)> 継続されているお客様にも、車種/車両は特定出来ないように書いています。 そこのところは どうか詮索なさらないよう.. 。


....画像は、BMW空冷ツインの最終型、/7系の箱型エアクリーナーボックスの中をのぞいていますが、開くといきなり 部品の並びが少々お行儀悪くアレンジ?されているのが目に入ってきました。
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 この型は、ブローバイガスをキャブレターのインレットに向けて噴き出させるようになっており、それに混じるオイルでキャブのエアブリード(エアジェット)系が詰まるので、それを避けようという主旨でアレンジされているのは解るのですが.. 、無造作にノズルが反転されてファンネル形状を成している筈のダクトはひしゃげてそっぽを向き、ホース(配管)も納めるべきところに納まっていなく、これでは左右の通気抵抗が変わってしまい このまま中高速の燃調を診たところで無意味です。
 おまけにエアエレメントの内側の 本来気密している筈のエリアで、ブローバイガスを引き込むゴム配管が しかるべきところに納まっていない(緑矢印)ので 貫通部で外気流通、ドレイン排出口のワンウェイバルブになっているゴムのグロメットが裏返し&ちぎれて穴あき状態(赤矢印)で 外気流通、燃調が狂う程ではないにしろ、砂塵の舞うタイヤハウス近傍から常時外気が吸い込まれるようになってしまっていて、気密空間がちゃんと閉まっていません。

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 何をしたいのかは判るのですが、それを是認するとして、結局 このようなものを作成してブローバイガスを 左右のキャブに導く配管/ノズルは撤去、エアクリBOXに溜まるであろうブローバイからのドレインがたまり過ぎた時のために、グロメットのところは ニップルを新設して耐油スポンジを詰め ドレインホースをつなぐ(こういう構成の市販車で ごくあたりまえな構造にする)事としました。
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 そんな事をしているうちに、エアクリーナーケース取付ボルトのうち2本がステンレス製に交換されているのに違和感を感じて増締めチェックしてみましたら、3本とも必要トルクの半分くらいしか締まっておらず、うち2本はトランスミッションのマウント兼用(全4本の半分)なので "目が点" になってしまいました。(そもそもステンレスボルトもよろしくない)
 次いで、..ココがこうならば アヤシイぞ と、スターターモーターのカバー迄外して調べると、スターターモーターのマウントボルト2本のうち 締めにくい方の1本が、やはり必要トルクの70%くらい、大電流の流れるスターターモーターのマグネットスイッチのターミナルが 指先だけでナットが緩むくらい.. と、まぁ、この近辺 "も" 惨たんたるものでした。
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定規がささる程オカメが浮いてます↑
↑ピンクの矢印の先がまるで締っていなかった端子

 ---しまっていない話はまだまだ続きます---

実は、この個体では.. 、
 ・重要保安部品では、フロントフォークを支える トップブリッジ と ロアブラケット の フォークインナーチューブ の クランプ部 全6本 と Fアクスルシャフトのクランプ部が 必要トルクのキッチリ半分しか締まっていませんでした。
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 ・オカメ: 全然ネジが締っておらず2mmほど浮いておりました。
 ・社外品のFフェンダー/Rフェンダー:  F:4点ビス止め全部がユルユルで一本は1mmくらいネジ浮き、 R:4点ビス止め全部がユルユル、で、これは樹脂の締付に対して緩み止め措置がなされていないため。(純正はナイロンナット 又は カシメナット)
 ・グラブバー取付: 4点留めのところ 1点ボルト脱落 3点完全にトルク抜け。
 ・社外品サイドミラー R側: 80km/hrで球面座の調整不足でクルリと回って完全に後ろを向く。
 ・ナンバープレート取付: M6所要トルクの半分以下。(幸運にも落ちなかった)
 etc.


"しまっていない話" は、まだ他にもあった筈ですが 記録している限りで これだけ出ました。
お客様は片道概略60kmを少なくとも一往復半、私も 気づかないうちに20kmくらい試走で走っていますが。

このケースで.. 、
..走行中にオカメがポロリと落ちて自分で轢いてしまったらどうなったでしょう。
..何らかの段差で、インナーチューブが左右不揃いに大きくずれたらどうなったでしょう。
..半分しかマウントボルトが効いていないミッションを抱えてガレ場の林道を走ったらどうなるでしょう。
..突入で100A以上出せるバッテリーが 22sqはあろうかという太い電線で ヒューズ無しで走行中に機内で短絡したら どうなったでしょう。

本当に不安だらけです。

本格的に着手しまして、他にも重大な問題点があり、あとからヒヤリとしました。
事故が無かったのが幸いでした。


 ----- 低次元の 整備/改修/改造 の痕跡は 初回入庫で必ずといっていい程 見つかりますが、そういう仕事 は 大抵 何らかの形で 一からやり直しとなります。
その分 時間と費用が発生し、日程が大幅に狂いますが、とにかくそのままで流出しないよう 心掛けてはいます。

----- 他方で、特にDIY、自家整備の場合、ネジを緩める際には(正常に組めていたものなら)一気に緩めず、一度ほんの少し緩めて 再び元の位置まで締め、一体どれほどのトルクで締められていたか手の感触で覚えてから解体する ように心掛けて下さい。 そうすれば、今回遭遇したような事態は概ね避けられると思います。 重要保安部品相手に 決してデタラメをやってはいけません



<(_禿_)> 今般、なかなか 深刻な事態でしたので、多数作業待ち頂いている中ですが、お時間頂戴して BLOGにまとめさせていただきました。
これが終わりましたら、油冷クラッチ と 御父上の形見 の アレンジ と 2種原付シリーズ の作業に入ります。

 

・・・Motoholic(モトホリック)・・・
奈良 東生駒BMW空冷ツイン好きなショップです。

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